Scoliosis Training
側弯症トレーニング
背骨が曲がり、捻じれやゆがみが出て、その影響で背中に隆起が生じてしまう病気です。
側弯症は大きく分けて2種類に分別されます。
①生活習慣やスポーツなどの影響から生じるもの(機能性側弯)
②原因がはっきりしていないもの(構築性側弯※1)
※1 側弯症の全体の80~90%が原因不明のこのタイプであり10代(思春期)の女の子の多くはこの構築性側弯症といわれています
これらは人により様々です。
様々であるからこそ
これらを見極めて「治療」なり「運動」なりをやっていかないと
かえって背骨の状態を悪化させてしまう事があります。
しっかりと専門的な知識・技術を持った人の指導、アドバイスを受ける事をお勧めします。
正確に側弯症を診断するためには医師によるレントゲン検査が必要です。
外見の姿勢や背骨の突起の様子から側弯症の疑いを考える事は誰でも可能ですが診断はあくまでも医師によるものになります。
現在の日本では
「治療は、側弯の角度(コブ角)と年齢、骨成熟度によって決められます。治療法には、専門医による定期的な経過観察、装具療法、手術療法があります。運動療法、マッサージやカイロプラクティックは矯正効果がなく、その有効性は科学的に確認されていません。」(公益社団法人 日本整形外科学会HPより)
とされています。
側弯症に対する運動療法(リハビリ)についても
「シュロス法※2を代表とする側弯症に特化したリハビリテーション(physiotherapeutic scoliosis-specific exercises:PSSE)は、有効であるとの報告がみられますが、客観的なデータに乏しく、主観的な意見が入った研究が多いです。そのため、有効性についてはいまだに懐疑的にならざるを得ません。今後は医師と理学療法士を中心とした専門家らが共同で取り組む、科学的エビデンスの高い研究結果が待たれます。」(日本側彎症学会HPより)
とされており、日本ではまだ運動療法は有効であるとされていません。
※2 1921年にドイツ人のKatharina Schrothにより確立された側弯症の保存的治療法でドイツでは保険適応となっている
このような現状の中、私は理学療法士としてのリハビリの経験とピラティスやトレーニングで側弯症に悩むクライアントさんと向き合い、その状態の改善や悪化防止に努めてきました。
2018年2020年とScolio-Pilates ®のKarena Thek先生※3の講習会を受講し、アメリカにおける側弯症に対するトレーニングの現状と手術以外の側弯症との向き合い方について専門的に学びました。
そして2022年に側弯トレーニング🄬※4の講座に参加し側弯トレーニング🄬認定トレーナーとなりました。
前述したように現在日本の医療では側弯症は有効な治療法はないと考えられており、積極的な運動療法は行われません。病院を受診しても装具療法がなされる事はありますが、「経過観察」という名の元でフォローも無く側弯が進行してしまい手術まで何もできないままでいる事が多いのが現状です。
そうなった時に手術以外の選択肢としてご本人やご家族の多くは側弯症の解決策として、科学的に根拠のない民間療法に救いを求めている傾向があります。
私の考える科学的な根拠のない民間療法とは、実際の背中だけでなくレントゲン画像の背骨を診る事もなく施術やトレーニング、ストレッチを行う事です。これは非常にリスクの高いアプローチ方法であると私は考えます。背骨の曲がりや捻じれの方向を確認せずに行うトレーニングやストレッチは場合によっては側弯を悪化させる可能性を十分に持っている事を忘れてはいけません。Secondでは必ずレントゲン画像を事前に確認させて頂き実際の背中の状態や背骨の可動性を確認しながらでないとクライアントさんの身体にリスクを課してまでトレーニングをすすめる事はしません。
私はScolio-Pilatesでピラティスをベースにした実践的なトレーニング方法を学びました。そして側弯トレーニング🄬ではシュロス法※5をもとにした科学的根拠(医療的エビデンス)をベースに理論的かつ効果的なトレーニング法を学んできました。Secondではそれらを基にしてクライアントさんそれぞれにあった効果的なトレーニング方法を提供しています。
※3 アメリカで側弯症を専門にピラティスを行ない2017年オハイオ州の病院で側弯症の治療プランの一つにScolioPilatesを加える事に尽力
※4 理学療法士の中村尚人先生が代表で世界的な側弯症の保存療法を検討する国際的な学会「SOSORT」のガイドラインを参考に独自のトレーニングを考案
※5 1921年にドイツ人のKatharina Schrothにより確立された側弯症の保存的治療法でドイツでは保険適応となっている
お問合せが多い内容で「トレーニングをして効果はあるのか」「何回通ったら治るのか」というご質問があります。
まず効果については正直言うとこれはかなり個人差が大きくなってきます。「側弯症とは?」という項目でも書きましたが、人により背骨の曲がりや捻じれは様々です。トレーニングの方法も日常生活での注意点もそれぞれ変わってきます。
また「何回通ったら治るのか」という事についてご理解頂きたいのはあくまでもトレーニングはトレーニングであり、治療ではありません。
トレーニングで姿勢改善に取り組むのですが治療ではないので治す事はできません。姿勢改善、最低限側弯症の進行を防ぐ事を目的に取り組んでいきます。
下の画像はクライアントさんの1回のトレーニングでの姿勢のビフォーアフターの比較です。
このように1回のトレーニングで姿勢の変化がみられる事は多いですが、少し時間が経過するとすぐに元通りの側弯の姿勢に戻ってしまう事がほとんどです。それはまだ自分自身の身体が矯正の為の正しい方向や正しい筋肉の使い方を習得できていないからです。
正しいトレーニングを繰り返し継続していくことでこの変化が長続きして効果として実感できるまでになっていきます。
皆さんに共通する理解していただきたい事は
①背骨は人それぞれで同じではないという事
②ご自身の背骨を理解して向き合っていく事
③正しいトレーニングをとにかく繰り返し積み重ねる事
④装具を製作しているのであればしっかりと着用する事
⑤病院の定期受診とトレーニングを併せて実施していく事
になります。
誤解して欲しくないのは「病院に通う必要はない」「病院に行かない方がよい」という訳ではないという点です。
レントゲン検査も側弯症の診断ができるのも医師であり病院で受診する事は側弯症のトレーニングにも必要不可欠です。
お問合せで次に多いのは「どのくらいの頻度で通ったらよいか」という内容です。
頻度に関してはご予算やご都合がある場合もありますが、まずは1回/週ペースをおすすめしています。
やはりトレーニングの間隔が空いてしまうとトレーニングのやり方や身体の使い方なども忘れてしまいます。繰り返し正しいトレーニングを実施する事でより改善の効果が望めます。
(2021年7月26日ブログ「側弯症のトレーニング(運動頻度での効果の比較)」より)
4回のトレーニングでのビフォーアフターの姿勢画像の比較です。
上の画像はクライアントさんの1回のトレーニングでの姿勢のビフォーアフターの比較です。
チェックポイントは「両足踵からの垂線上に頭の中心があるか」です。
垂線上に頭の中心がないという事は背骨が曲がっている可能性があります。
全てのトレーニングにおいてアフターの姿勢では頭が中心に戻っています。
しかし、1週間後にトレーニングをした2回目のビフォーの画像と
2週間後にトレーニングをした3回目と4回目のビフォーの画像
これらを頭の位置を比較すると一目瞭然でトレーニング前の姿勢に差が出ています。
ですのでこのクライアントさんにとっては
1回/週ペースのトレーニングの方が効果的であるといえます。
成人後に側弯症がみつかりトレーニングを開始される方もいらっしゃいます。
この画像は1回/週ペースで5ヶ月トレーニング+自主トレーニングを継続されたクライアントさんの姿勢画像です。
トレーニング前の姿勢でも5ヶ月後レッスン前の方が
立位の姿勢では踵からの垂線に対して頭は中心にありますし、
前屈の姿勢では背骨の捻じれから生じる背中のふくらみを左右差が少ないのが分かります。
もちろんこれらには個人差がありますが参考になると思います。
初回トレーニングでは必ず背骨を主として身体の状態とレントゲン画像を基に検査(評価)を行ないます。
残り時間でトレーニングを行ない、簡単な自主トレメニューをお渡しして終了となります。
2回目以降のレッスンでは検査結果と初回トレーニングを踏まえてその日の状態をみながらトレーニングプログラムを提供していきます。
全てのレッスンでは必ずビフォーアフターの写真撮影をして当日はもちろん長期的な変化をみていきます。
可能な限り事前に病院でのレントゲン画像をご用意ください。事前のご連絡の中でメール添付で初回レッスン前に確認させて頂けるとよりスムーズに検査が実施できます。
※レントゲン画像はCDやUSBなどのデータでなくても病院診察時に撮影したスマホでの写メでも大丈夫です。
Copyright Pilates & Conditioning Second. All Rights Reserved.