こんにちは。
福岡市博多区のピラティススタジオ
Pilates&Conditioning Secondです。
もう何年も前のことなのですが
以前にバレエに携わる方から
「私はバレエの為にピラティスの必要性を感じないから使わない」
と言われたことがありました。
何故かと聞いてみたところ
「エクササイズの多くが背骨を丸く屈曲させる動きが多く、バレエに使う動きではない為、ダンサー向きではないから」
というのがその方の考えでした。
今やトレーニングはいくつものメソッドがあり、
しっかりしたものにはそれぞれにエビデンスや考えの基で行っているものがありますので、
その考えは知りたいですがわざわざ論争を招くような反論はしません(笑)
ピラティスに携わってきた経験からすると、「それを提供する人が何を提供できるかによる」んだと思います(笑)
以前、プロゴルファーのクライアントさんのピラティスレッスンを担当していた事があります。
その方に何故ピラティスを受けようと思ったのか尋ねたのですが、
その答えは
「ゴルフでは同じ動きばかりをしているので全身の筋肉の左右バランスを整えて左右の筋肉を同じようにコントロールできる身体にしたいから」
でした。
素晴らしい考えですし、その目的の為ならピラティスはピッタリだと思います。
アスリートやダンサーなど身体で表現をする人達と私達一般人の違いは何かというと思いのままに動かす事ができる筋肉の数の違いです。
骨格筋は全身に大小400種類以上あり、筋肉全体の40~50%を占めています。
「歩く」「泳ぐ」「走る」「滑る」など、日常のあらゆる運動にかかわっています。
ただその筋肉のうち簡単に動かせる筋肉の数は人それぞれです。
例えば手の親指だけを動かしてくださいと言われても皆さん簡単にできると思います。
それに対して足の小趾(指)だけを動かしてくださいと言われたら…
小趾だけでなく、周りの他の趾も一緒に動いてしまいませんか?
日頃あまり使っていない筋肉を動かそうと思うと指令を出す脳みそも自信がなく
「小趾か…うーん…このあたりの筋肉達動きなさーい!」って感じでアバウトに指令を出すんですね。
だから他の足趾も動いちゃう。
アスリートやダンサーはアバウトでなく一つ一つの筋肉に確実に脳が指令を出せるんですね。
身体についている骨格筋の数は同じでもコントロールできる筋肉の数が違うんです。
私は数年前に初めて世界バレエフェスティバルを観劇に行ったのですが
その時初めて世界の第一線で踊るバレエダンサーを生で観ました。
その時に観たヤーナ・サレンコの「瀕死の白鳥」。
涙がボロボロ出ました。バレエって音楽に合わせて踊るんですが、喋らない。
身体の動きや表情で表現をしますよね。
こちらは素人。白鳥の湖のストーリーも詳しく知らない。
全幕も観たことない(勉強不足ですみません)細かいステップとかバレエテクニックについてちゃんと理解してない。(これもごめんなさい)
そんな素人の心を動かす踊りってすごいですよね。
その時のサレンコの白鳥の翼を表現していた両腕が色々なきれいな白い羽根の翼にみえてしまう動きを表現していてすごかったんです。
これはホントに腕なの?と思うくらいに時に息も途絶えそうに苦しそうに小刻みに、そして時に大きく優雅に。
後日真似してみましたがまあひどい(笑)素人のおじさんの手は棒みたい(笑)
しなやかじゃない(笑)動かない(笑)その動きから伝わるのは苦笑(笑)
バレエをしている子どもなどのピラティスのセッションをする機会がある時に感じるのは、
「背骨はまっすぐにするのが良い」という潜在意識があるからでしょうか。
背骨を動かしてってなった時に、全然背骨が動かない…ってコトが少なくありません。
背骨って小さい積み木のブロックみたいな骨が積み重なって構成されてますが、
そのブロックを1つずつ動かしてみてーってなった時に、ブロックが全部で1つの棒になったかのように一塊で動いちゃう感じです。
踊る時にスッと伸びた背筋のバレリーナは観ていて美しいと思います。
しかしその背筋は敢えてスッと伸びしているのか、
スッと伸ばす以外の動きはあまりできないのか。
これは大きな違いですよね。
バレエだって背骨を前に屈める動きだってあるでしょうし、
まっすぐの背骨を前に傾けるのではなく頭から1つずつの背骨を動かしていくことで表現する動き、観客に伝えるメッセージもあるはずです。
動かさない時には敢えて動かさない、動かすときには背骨1つずつをしなるムチのようにも動かせる…
ちょっと長くなりましたが、これが身体で様々なメッセージを表現し作り出すアスリートやダンサーに必要な身体のコントロール能力なんじゃないかなーと私は思うのです。
自分の身体のコントロール能力をあげていく事を考えるとピラティスは良いアプローチの1つだと思います。
ただそれは提供する人がちゃんとそのあたりを理解して提供できる人であればという事ですね。
ピラティスに限らずトレーニングなどをする際にパフォーマンス向上を目的とするならばしっかりとしたプログラムを提供できるトレーナー探しがポイントになりそうですね。