2025年5月、日本で初めて開催された「SEAS(セアス)」という側弯症に対する運動療法の認定コースに参加してきました。

3日間にわたって学んだのは、ただの運動ではなく「科学的根拠に基づいたセルフケア」。
これはイタリアで生まれたSEASというメソッドで、世界的にも非常に注目されています。
現在、側弯症の保存療法(手術をしない治療)の世界では、ドイツの「シュロス法」とイタリアの「SEAS」が二大トップと言われています。
なかでもSEASは、国際学会SOSORTでも中心的な存在として世界中で使われている方法です。
そもそもSEASってどんなもの?
SEASは「Scientific Exercise Approach to Scoliosis」の略で、直訳すると「側弯症に対する科学的運動アプローチ」という意味。
最大の特徴は、自分自身で姿勢を修正する力をつけるという考え方。
我々理学療法士がレントゲンの画像を分析し、どの方向にどんな動きをすれば効果があるのかを科学的に判断。
その上で、患者一人ひとりに合ったオーダーメイドのエクササイズを作成します。
大切なのは、**“矯正される”のではなく“自分で矯正する”**という点。
この「Active Self Correction(ASC)」という考え方は、側弯症の型が積極的に自己矯正を行っていく事です。
そしてそれぞれの姿勢や身体的な状態や心理状態に合わせて私たちが個別のサポートをしていく、まさに“人に寄り添う”リハビリトレーニングのアプローチです。
認定コースでの学びと実践

今回講師を務めてくださったのは、SEASの開発者であり、イタリアのISICO(イジコ:側弯症専門機関)にて理学療法部門ディレクターを務めるMichele Romano(ミケーレ・ロマーノ)先生。
40年以上にわたり側弯症の治療と教育に携わり、世界中で指導を行っているまさにこの道の第一人者です。
レントゲン画像から背骨のカーブの認識やコブ角だけでなく脊椎の捻れなども数値化し、どの方向への運動が適正かを確認し、矯正すべきエリアと方向をクライアントへ指導し、更にそれをクライアント自身が正しい姿勢・動きを自分で認識し矯正していく「自己矯正」という考え方。
今回特に自分にとってこの「自己矯正」という考え方は大きな収穫となりました。

これを科学的エビデンスに基づいてクライアントごとに個別のオーダーメイドとして落し込んで日常生活に繋げていく考え方は、まさに自分がSecondでやりたい事そのものだと感じました
さっそく福岡で実践中です!
受講後すぐに、福岡でのセッションにもSEASのメソッドを取り入れていますが、すでにクライアントさんからの反応もよく、手ごたえを感じています。
「側弯症=装具 or 手術」という認識がまだまだ根強い日本ですが、「運動によるセルフケア」という選択肢もあるということをもっと多くの方に知ってほしいと強く思います。
手術だけじゃない。
我慢するだけでもない。
トレーニングする事で自分の身体を、自分で整えていける。
そんな可能性を、これからも一人でも多くの方に届けていけるように取り組んでいきます💪✨